この独特な雰囲気、よそ者を受け付けないハードルの高さ。文壇カフェとか、Jazz喫茶、あるいは社会に対しての不満やメッセージ性の強い場所。いかにも70年代のヒッピーが集まりそうなカフェバー。一目見て只者ではないと思うのが普通。
Googleマップの評価は現時点で★3.7とまぁ良い点数!
高評価 ( ^∀^)
- 「雰囲気が良く、非常に落ち着く店内」
- 「人気のカレーはサラサラなカレーで、味は薄目でスパイスの風味とコクが凄く好きです」
- 「チキン柔らか、独特なスパイス配合がたまりません」
- 「シンガーソングライター、中山ラビさんがオーナーのお店」
- 「とても辛いですが、他にはない味わいです」
低評価 ( *`ω´)
- 「カウンターを占拠している常連客が我が物顔でふかすタバコが煙いし鬱陶しい」
- 「カレーは出汁も味もない辛い水を食べてるようでした」
- 「常連がうざうざしい」
- 「常連さんがカウンターにかたまっていて一見さんは店から非常に冷たい対応をされます」
など。なるほど、低評価に関してもうなづける部分はあります。
国分寺駅南口から殿ヶ谷戸庭園の方へ歩いていくと蔦の絡まる怪しい雰囲気の「ほんやら洞」。昔からあって気になっていた。オーナーはシンガーソングライターの中山ラビさん。ここはカレーが有名で常に常連客で賑わっている。ハードルは高い。
それでもカレーと聞けば黙っていられない。
薄暗い、こじんまりとした店内はバーカウンターとテーブル席があり、年季の入った内装は歴史を感じさせる。カウンターには既に常連客がいて、ラビさんと談笑している。
独特な手書きのメニューからもアート、ロック、ヒッピーの雰囲気がガンガン伝わってくる。
迷わず、この店の名物「スパイシーチキンカレー」850円をオーダー。
カウンター越しの棚にはハードリカーやリキュール類が所狭しと陳列されている。めっちゃかっこいい。
目の前にはボブ・ディランのレコードジャケット。中山ラビさんは女ボブ・ディランとも言われていたそうですよ。
ほどなくしてスプーンとチャツネが出てきた。狭いキッチンではラビさん自らコトコトとカレーを煮込んでいる。どんなカレーなんだろう。楽しみ。若干の気まずさを感じながら待っていると、
「スパイシーチキンカレー」
が出てきた!
\🍛バン!/
おお!これまた雰囲気のあるカレー!シンプルな見た目だけどおしゃれで映え感もある。へぇ、これがあのほんやら洞のカレーか。うまそう!
トッピングもシンプルで大きなチキンがまるまるっと入っている。その上にフライドオニオンのようなものがちょこっとのって、ライスの上には色とりどりのレーズンがのっている。
早速いただきます!
んん!?さらっとしたカレーはかなりスパイシー。あっさりとしているけれど、チキンのコクが奥行きを出している。アジアンテイストではあるものの他にはない味。うめー!
チキンは半身がごろっと入っていて、ほろほろと崩れてしまうほどに柔らかい。こりゃたまらん!
酸味の効いたチャツネを加えるとスパイシーさが際立ち、さらに複雑な味へと変化していく。果たしてスパイスの配合が独特なのか、ありそうでない味。個性的でクオリティも相当高い。
この「ほんやら洞」について調べてみたところ、元々は京都がルーツで火災により閉店後に有志により、国分寺にて復活したとのこと。名前の由来はつげ義春の「ほんやら洞のベンさん」から。店の雰囲気からも分かる通り、当時は詩人が集まり朗読が行われたり、フォークライブが開催されていたようですね。
特に一見だから冷たくされたということはないけれど、あえて干渉しないのだろう。広く一般に開かれているというより、常連に愛されてきた店という感じが正しいかも。
ほんやら洞
〒185-0021 東京都国分寺市南町 2-18-3